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相続人が遺産分割協議書に押印してくれないのは、感情的な対立や遺産分割の内容への不満など、さまざまな理由が考えられます。弁護士に依頼すれば、交渉を代行したり、調停や審判といった法的手続きを進めたりすることができます。
押印拒否の背景
【金銭的な不満】
遺産の分け方に納得できない: 自分だけ不公平な分け方をされていると感じている。
寄与分や特別受益を主張したい: 長年介護をしてきたのに評価されない、生前に多額の援助を受けていた相続人がいる、といった不満がある。
情報が開示されないことへの不信感: 遺産全体の詳細な内容(不動産や預貯金など)が明らかにされず、不信感を抱いている。
【感情的な対立】
相続人同士の仲が悪い: 長年の確執や溝があり、話し合いが進まない。
特定の相続人への不満: 遺産の管理をしていた相続人の不審な言動などから、不信感や怒りを抱いている。
故人との関係性: 疎遠な関係だったり、生前の扱いに不満があったりする。
【手続きへの抵抗感】
面倒なことに関わりたくない: そもそも相続手続き自体に煩わしさを感じている。
相続財産の問題: 不動産が主な遺産で、平等な分割が難しいと感じている。
精神的な負担: 故人を亡くしたショックから、相続について冷静に考えられない。
弁護士が教える対策
相続人が押印を拒否している場合、以下のような対策が有効です。
1. 拒否の理由を探る
まずは、なぜ押印してくれないのか、その本音を探ることから始めます。
感情的な問題なのか、金銭的な問題なのかによって、対応は異なります。
冷静な対話が難しい場合は、弁護士に間に入ってもらうことも検討しましょう。
2. 弁護士に交渉を依頼する
相続人同士の話し合いで解決できない場合は、弁護士を代理人に立てて交渉を依頼します。
弁護士が第三者の専門家として間に入ることで、冷静な話し合いができる可能性が高まります。
3. 遺産分割調停を申し立てる
交渉でも解決しない場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てます。
調停: 調停委員が間に入り、相続人全員の合意を目指して話し合いを調整します。
調停のメリット: 裁判官や調停委員といった第三者の視点が入ることで、客観的な解決につながりやすいです。
調停のデメリット: 手続きに時間と手間がかかります。
4. 遺産分割審判に移行する
遺産分割調停でも合意に至らなかった場合、自動的に「遺産分割審判」に移行します。
審判: 裁判官が、各相続人の法定相続分や寄与分などを考慮し、遺産の分割方法を決定します。
審判のメリット: 裁判所の決定であるため、強制力があります。
審判のデメリット: 納得がいかない結論でも従う必要があるため、慎重な検討が必要です。
5. 弁護士に依頼するメリット
客観的なアドバイス: 専門家として、法的に適切な遺産分割方法を提示してもらえます。
精神的な負担の軽減: 交渉や法的手続きを代行してもらうことで、精神的な負担を減らせます。
適切な遺産評価: 不動産や金融資産など、複雑な遺産の評価を適切に行い、公平な分割を促します。
早期解決: 紛争の長期化を防ぎ、早期の解決を目指せます。
まとめ
相続人からの押印拒否は、遺産分割協議の停滞を招きますが、その背景にはさまざまな本音があります。
まずは冷静に話し合い、解決が困難な場合は、弁護士に相談して適切な対策を講じることが重要です。
弁護士は、単なる代理人としてだけでなく、問題の本質を見抜き、最適な解決策を提示するサポート役となります。
お気軽に、弁護士法人中原綜合法律事務所(TEL 078-362-5558)へお問合せください。

